小林秀雄の講演集を一冊にまとめた「考えるヒント」という本がある。 その中に”美を求める心”という講演題目がある。 昭和32年に講演したと記載があるが、令和3年の今、読んでも全く色褪せず、変わらず大…
Books and Movies/本と映画
村上春樹の物語と、制作について Onto Creative Process
この春から村上春樹の小説を読み直している。 今日まで読んだのは以下の通り: 『スプートニクの恋人』 『アフターダーク』 『1Q84』 『騎士団長殺し』 『海辺のカフカ』 『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』 『…
どんな色眼鏡をつけている? Bias is Everywhere
『13歳からのアート思考』という本を読み進めている。 話題書になっているので、ご存知の方も多いかもしれない。 詳しい内容は端折るが、一言で言うと「アートって一体なんだろう?」という極めて根本的な問いを、様々なアーティスト…
違いを面白がれる社会に On Watching SKIN
先月から、noteでも書き始めた。 noteとこのジャーナルの棲み分けをどうするのか まだ明確な線引きはしていない。 そんなわけで、先日noteで書いた記事 「暗闇の中から、ヒカリの射す方へ」 に関連する内容を書いていき…
物語を生きるということ The Story of You and Me
最近、嬉しいお便りをいただくことが多い。 メールで頂戴したり、DMで頂いたり、はたまたお手紙で。 自分の描いている内容、やっている活動がどれほど人の役に立っているのか実感することが少ないゆえ、(特に個展がなくなってしまう…
今にしか、ないもの。Past Has No Power
最近、作業をしながらpodcastを聴くことが多い。 女性大統領になるのではないかとまで噂をされているOprah Winfrey。 彼女の番組「Super Soul Conversations」はとても興味深い。 世界各…
物語の効力 Living Inside the Story
中秋の名月も過ぎ、秋本番。 秋といえば、何の秋ですか? 今の私にとっては読書の秋。 最近、小説を手に取ることが多い。 心が物語という形式を求めている。
バレエから問い直す「一瞬と永遠」 Eifman Ballet
三連休の初日、Eifman Balletのアンナカレーニナ(原作トレストイ)を 観にびわ湖ホールに行った。 Eifman Balletとは…
"もののあはれ"の印象派と旅人のような転勤生活 It's All About "Here and Now"
カフェでたまたま手にした雑誌。 そこにシャガールの特集記事が掲載されていた。 「日本人には古くから、移りゆくことこそ常態である。 という考え方が人の間に広く浸透している。 それは仏教的世界観と、気象条件や自然災害の多さな…
憧れを超えていくということ Surpassing Inspiration
野球好きではなくても、イチローの引退には 衝撃を受けた方、多いのではないでしょうか? 私もその一人でした。 本日のKayo-bi Journal 「憧れを超えていくということ」は イチローの引退会見の中で一番印象に残った…
「心の年輪」の作り方 Standing Still in Midst of Pain
最も小説家のひとりが村上春樹だ。 小説のみならず、翻訳やエッセー、インタビュー本等 様々なジャンルの著作を出しているが、 期間限定でホームヘージを立ち上げ、読者から質問を募り、 それに返答をする、という読者の皆さんとやり…
2つの実話映画から読み解く素質と性格 Tonya and Molly
昨晩イタリアに着いた。 ルネサンス期の作品を見て回ったり イタリアの画材屋さんに行く予定をしているが 主目的は ・来年以降の計画立て ・7月展に向けての実験的作品の制作 ・アートコーチングの構築 といったところ。 まだ到…
一瞬に永遠を閉じ込める行為 Mitsubachi to Enrai
昔から小説を読むのが好きだ。 外出する時には必ず本を忍ばせているぐらい好きだ。 今、私の鞄の中に入っているのは 奥田陸さんの『蜜蜂と遠雷』。 直木賞と本屋大賞のW受賞でも 話題になった本作。 一度読んで感動し、 そのまま…
小説から読み解く妄想 Stories and Delusions
絵が非言語のメッセージだとしたら 小説は思いっきり言語的な内容だ。 だから、絵を描く息抜きに小説を読むのが好きだ。 最近読んだ2冊は書店の店頭で話題になっていたものたち。 ●「 豆の上に寝る」と「マチネの終わりに」 ‾‾…
村上春樹展と土着の力と自我について Haruki Murakami Exhibition
今月21日から28日まで、とある企画展に参加する。 その名も「わたしの中の村上春樹」展だ。 会場は、銀座にあるギャラリー枝香庵。 私を含めて30名の作家が村上春樹の小説にちなんだ作品を展示する予定。 なんて村上春樹ファン…
うまくいかないこと、が人生の本質 The Essence of Life
今年に入って、改めて実感したことがある。 それは 「人生というのは、うまくいかないようにできている」 ということ。 何の壁もないスムーズな人生というのは、 どれだけ頑張っても実現しない。 具体的に何か大事件があったという…
発見の旅 Journey of Discovery
昨年10月に村上春樹が デンマークの童話作家のアンデルセンの「ハンス・クリスチャン・アンデルセン賞」を受賞し、 その授賞式でスピーチを行ったことについて、 以前村上春樹の「影」Dark Tunnel of Narrat…
愛読漫画と胸に秘めた問い Self-Coaching
昔から漫画が好きだ。 それは小学校時代に読んだちびまる子ちゃんから始まり、 中高生の頃には「天使なんかじゃない」や「花より団子」など 恋愛系の内容にどっぶりと読みあさっていたわけだが 現在の愛読漫画の1つは 東村アキコの…
村上春樹と真実の世界 Where Murakami’s World Leads To
村上春樹の長編小説の新刊がでた。 もしあなたが村上春樹ファンならわかると思う、 これがどれほど待ち望まれていたことなのか。 そんなこんなで早る気持ちを抑えながらも第一部・第二部、と読破した。 主人公が画家だったのに軽く衝…
「タクシーに乗った男」からの教訓と、絵の役割について What is Art?
個展が終わった時に、ある物語を思い出した。 村上春樹の短編小説「回転木馬のデッド・ヒート」。 この小説は、完全なるフィクションでもなければ ノンフィクションでもない、その狭間に位置する物語。 その中に出てくる「タクシーに…