後悔の念と今に馳せる想い On Thoughts About Regret and Time

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●予定されていたスクリプト
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突然だが、大学を選ぶ時に、私にとって大事だったのは、
何を学べるか、よりも、「どこで大学生活を送るか」だった。
高校時代は名古屋に住んでいたのだが、
名古屋を出ることは自分の中で100%決まっており、
ついでに言うと行き先は京都だと確信を持っていた。
その理由は明確だった。
「日本を感じられるから」
今思えばなんとも安直な思考回路だが、小学生生活をアメリカで過ごした私にとって
「日本ってなんだろう?」
「日本人ってどういう人種なんだろう?」
という疑問がいつも片隅にあったのだ。
京都には親戚がいるわけでもなく、
それまでの人生で一度も訪れたことがなかった。
もっと言えば、
関西にさえ足を踏み入れたことがなかった。
それでも、京都で大学生活を送ることは決めていた。
予めの決定されていたスクリプトのように
京都行きは私にとって必然だった。
 
●実際に京都に住んでみて。
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しかし、晴れて京都で生活を始めてみると、
大学のキャンパスが京都市内ではなく、
何もない田んぼに囲まれていることを知り、愕然。
(予めそれぐらいリサーチしておけよ、というツッコミはさておき)
しかも、京都市内に出るには往復千円以上かかるという、
大学生にとっては安くない金額。
そんなわけで、伝統的な京都を堪能し、日本のルーツを感じる、
という意思は霧のように消え去り、
日々田舎道をチャリで走り回る日々を送り
あっけなく、学生生活は終わっていったのである。
(詳しく書くと、2回生の時は東京にある大学に国内交換留学をし、3回生からは京都市内のキャンパスに移動したのだが、2回生の学業の取り戻しをするために、朝から晩まで学校に入り浸り、その後休学してイギリスへ、復学した4回生時には就活で余裕がなく、、、という話はまた別の機会に)
 
●「時間を巻き戻せるならば…」
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時を今日に戻す。
「1回生の、時間が腐るようにあったあの時間に
電車賃をケチることなく、足繁く京都に通えばよかった。」
京都に行く度に、この後悔の念が頭をよぎる。
でも、どうがんばっても、人生には
映画のDVDのように巻き戻しボタンは無い。
 
そう考えると、未来の私からみたら、
今という時間がいかに貴重な時なのか
感じないわけにはいかない。
仮に未来の私が、今の私を見たら一体何を後悔するか?
それは一目瞭然である。
(でも、ここでは言わない笑)
 
●いつまでもあると思うな、、
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「いつでもできるし」
「今日でなくてもいいし」
と言いながら、ついつい、今日やることを、明日に引き伸ばし、
それがエンドレスに続き、終いには、やらずに終わってしまう
そんなことを何度繰り返したらわかるのだろうか、
時間は有限である、という事実を。
逆に限られた時間しか与えられていないからこそ
この命は光り輝くのではないだろうか。
そして、この命がいつ果てるのか、知らないからこそ
人は、永遠に時間がつながっていると勘違いしてしまうのではないだろうか。
でも、本当は一生というのは、あっという間に終わってしまう
という事実を受け入れた時に、「今」という時間をどう生きるだろうか。
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先日、京都にある和紙屋さんに行った時に、
そんなことを考えながら帰路についた。
だからこそ、やっぱり私は今日も筆を取るのだろう。
2016.5.24 Tuesday(*KAYO-BI)
Kayo Nomura
*KAYO-BI:毎週火曜日にブログを更新しています。

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