他人の目と自分の人生　How do YOU want to live?

今回も、前回同様ニューヨークで感じたことを書く。
だが、日本に戻ってきてからの日常の波にさらわれてしまいがちで、結局、これを書いている「今この瞬間」の思いや考えを綴るしかない。根本ではニューヨークでの日々の生活が今の生活と地続きでつながっているのだけれども。だから結局はその時書こうと思っていたことと、今書こうと思うことと、必ずリンクしているのだ。
と、前置きが長くなったが、
今日は「誰もに好かれることなんてできない」という当たり前のことについて書いていきます。
それを通して、「人生の目的」や「本当に大事にすべきことは何か？」についての考察を。
●個展会場での反応
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滞在中、ニューヨークの個展会場に何度か足を運んだのだが、その時に、
当然ながら、作品に対してどんな反応が出るのか、気になった。
日本での反応と、海外での反応は違うものなのか？
全く受け入れられなかったらどうしよう、という不安もつきまとった。
いざ展示が開始されると、「素敵な作品だわ！」とわざわざ声をかけてくれる人がいたり、
しげしげと作品を眺めている人がいたり、と概ね良い反応を感じられ、ホッとした。
だが、同時に、当たり前だが、絵について全く関心を示さない人もいた。
まるで最初から作品なんて壁に飾っていないかのように、スルーする人もいたということだ。
冷静に考えてみれば
誰からも好かれるような人がいないのと同じように、
誰からも好かれるような絵なんて存在しない。
（逆にいうと、誰からも好かれるような人は自分のない人だし、
誰からも好かれるような絵は極めて無難な絵である。）
 
●「作品を描く」ということ と「生き様」は切っても切れない関係性
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それでも、特にスタート時は、過剰に反応を気にしてしまう自分もいた。
その感情はどこからやってきているのかというと、
前回でも書いた通り、日本の「和をもって尊し」とする価値観に根付いていた。
予定調和であったり、本音を言わずに当たり障りのない会話をする日本の社会は、「自分よりも、相手を先に立てる。場を乱さないようにしよう」と、無意識的に本音を奥底に沈めてしまいがちだ。
もし仮に、同じような原理で、つまり、まるで当たり障りのない会話をするような感覚で私が絵を描いたとしたら、エッジの効いたものや、人の心に広く訴えかける作品を残すことは極めて難しいだろう。
同じように、相手の意見に合わせて自分の考えを変える人と同じ原理で
作風を相手に合わせて変えていたら、
「なぜ自分が描いているのか？」の意味がなくなってしまう。
（無論、イラストレーターやデザイナー、依頼を受けて描い作品はまた別の話）
だからやっぱり、私は私の絵を描いていくしかない、
という結論に至るのだが、それは生き様にも現れるものだ。
私が人の顔色を伺いながら日々生活していたとしたら。
相手に好かれることに重きを置いていたら。
そのように生きていたら、表面上は平和で波風なく、心地よく感じられるかもしれない。
だが、そんな生き方をしていたら、
差し障りのない作品しか描けないだろうし、何よりも、
自分にとって最も大事なものを見失った絵に仕上がるだろう。
 
●本当に人生を大事にする生き方
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何を大事にして生きるか、というのは千差万別。
だから、やっぱり誰からも好かれようとする自分よりも
自分にとって大事なことを大事にする人生を選択していきたい
と、ニューヨークから帰国してからより一層確信を持って思うようになった。
だから、私の場合、まず生き方があって、
その上に、絵がある。
同じように、多くの人にとっても、
まず、人生があって、次に、仕事や家庭や地域内の役割がある。
「仕事を何よりも優先する」「仕事が全て」という生き方をしている人が
日本ではあまりにも多いように感じられる。
愚痴を言いながら、でも何も改善することなく、
1日、一週間、一ヶ月、そして一年とあっけなく過ぎ去っていく。
現状を変えたくないのであれば、それでいい。
だけども、それでは嫌だ、と心底思うのであれば、
自分にとっての人生の土台、つまりは「どう生きたいのか？」
を明確にすることが大事なのではなかろうか。
それこそが結局、
自分を一番大事にする生き方なのではなかろうか？
あなたにとっての「大事な生き方」って何ですか？
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2016.10.11 Tuesday(*KAYO-BI)
Kayo Nomura
*KAYO-BI:毎週火曜日にブログを更新しています。