生きる姿勢が人を変える How Do You Live This Life?

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「今まで描いた作品の中で最も思い入れの深い作品はどれか。」
と聞かれたら、真っ先にこの2つの作品を挙げる。
この作品たちは、とある友人を想いながら描いたもの。
そして、今年4月に行われた「筆を持つ」展でも展示をしたものでもある。
そこの挨拶文で書いた内容が以下の通り。


 
普段、沢山の色を使って描くのが好きです。でも、今回の展示は青と赤の世界に二分されました。それは、「生命の木(赤)」「生命の木(青)」という作品が出発点になっています。この作品を描く少し前に、大切な友人がとある病に陥ったことを聞きました。生きるか死ぬか、という戦いを繰り広げる彼女に対して、私ができることは、ただ、筆を持って、描くことだけでした。それは一見無力な行為のように感じましたが、私とって、それは命を灯す行為そのものだということに、描きながら実感するようになりました。
仮に、生きる喜びに満たされている時期を赤い時代、悲しみに満たされている時期を青い時代と名付けるならば、そのどちらもが、共に大切な時期です。影がなければ光もないのと同じように、苦しみがなければ喜びを実感することもありません。だから、必ず両方に同様の価値がある。それを、今回の展示を通して伝えていきたいと思いました。
友人は今も戦っています。だからこそ、私は筆を持ち続けるのだと思います。本展を通じて、ご自身の中にある苦悩と歓喜を感じ、それを通して「今を生きるということ」に考えを巡らすきっかけになるとしたら、本望です。
ご来場、ありがとうございました。
2016年4月1日
野村佳代


 
先月、その友人の体調が良くなったとの知らせを受けた。
「よかった」なんて言う言葉では、到底片付けられないぐらい
壮絶な体験を通過した彼女と再会した時に、思ったことは
「彼女のおかげで、私は絵を描く意味の真意を受け取った」ということ。
そして、この作品たちは、彼女の手元に渡るのが自然なことだと思った。
それを、今日実現できた。
彼女という存在自体が、私にとって、偉大で、ありがたく、
元気な姿で会えて良かった、、と心底感じたその時に
また深く己を問うことになった
「この人生をどう生きたいのか?」と。
世界中にたくさんの絵描きがいる中で
自分は一体どのような絵描きでありたいのか
ということ。
彼女の、真摯に生きる姿勢が
私の背筋を伸ばしてくれた。
絵というのは、
私が描いているものではなく、
何か大きな力によってもたらされることによって
描かせてもらっているものだ
ということを日に日に実感していく。
冒頭の2つの作品は、
彼女の存在が描かせてくれたもの。
絵を描くということがどういうことなのか、
それを通してどう生きて行くのか、、
そんなことをずっしりと感じた、忘れられない1日となった。
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2016.7.19 Tuesday(*KAYO-BI)
Kayo Nomura
*KAYO-BI:毎週火曜日にブログを更新しています。

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