よりよく「生きる」ためのギフト Drawing as a Gift


「絵を描いている時間と同様に、
絵を描いていない時間も等しく大事だ。」
最近そう思うことが増えた。

毎日目にするもの、聴く音、感じること等々、
そしてそれに伴い揺れ動く感覚を感じることが
絵を描くための材料になるからだ。
とはいえ、受動的に、つまり
ただなんとなく生きているだけでは、
五感情報を的確にキャッチすることはできない。
意識的に見ること
意識的に聴くこと
意識的に感じること
これらができて、初めて、絵を描くための素材が集まる。
●意識的とは?
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でも、例えば意識的に見るって一体どういうことなのだろうか?
それは、普段見慣れているもの
(自分の部屋だったり、駅までの風景だったり、家族や会社の人たち)を
「ちゃんと」見ること、だ。
見慣れているものに対して、
当たり前だが、興味を持ちにくい。
いつも存在するもの、として、
気にとめることなく素通りしてしまう。
だけど、毎日使っているペンをよく見ると
水色だと思い込んでいたそのペンが
実は青い緑色だったことに気づく。
ストライプの模様だったと認識していたものが
本当はチェック柄だったことに驚く。
と言ったように
実は普段から目にしているものって
意外と見ているようで、見ていないのだ。
過去の記憶からの固定観念で
モノを捉えて見ていることに
慣れきっているからだろう。
●観察力を高める
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意識的に見るということは
観察力を高めることにもつながる。
今まで日常にあったものを
新鮮な目で観察し直すことによって
普段気がつかなかったことに気づくこともある。
家の床が白色だと思っていたのが
実は、マーブル模様だったということに。
そして、そのマーブル模様が
幾何学的でなんとも美しい形をしていることに。
その美しい形から連想して
一枚が出来上がるかもしれない。
はたまた、
何気なく見上げた夕日に心が動き、
その感動を色と形で表現してみよう
と試みるかもしれない。
●絵を描くことはよりよく生きること
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今までなんとなく見ていたモノ、
聞いていたモノ、感じていたモ…
それらに意識を向けるだけで
絵を描く題材は山のようにでてくる。
そして、
それは絵を描く上で、のみならず
より豊かに生きるということにもつながっていく。
この肉体を持って生まれた理由の一つは
たくさんのことを体験すること。
そして、体験することは五感を通すということ。
五感を通す、という行為を
受け身ではなく能動的にすることで
より「生きている」ということを
実感するきっかけになるのではないか?
そのように思いながらも
今日もまた一つ、絵を描き続けています。
●一言編集後記
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絵を描くという行為は
実に様々なことを教えてくれる。
絵を描く行為そのものが
ギフトなのかもしれない。
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2017.8.15 Tuesday(*KAYO-BI)
Kayo Nomura
*KAYO-BI:毎週火曜日に更新しています。

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