ボブ・ディランの受賞スピーチを通して思う来年の目標の立て方 Bob Dylan and His Speech

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先日ノーベル賞の授賞式が行われた。
ボブ・ディランが受賞したことで
メディアが連日騒いでいたが、
正直なところ、私は、彼の名前や代表曲は知っていたものの、
特別なファンではなくむしろ、
「BILLY BAT」や「PLUTO」などを描く尊敬する漫画家が、
若かり頃からボブ・ディランを敬愛していたということを知った時に、
「へぇそうなんだ」と思った程度だった。
だが、受賞に伴い、改めて歌詞を読んでみたり、
彼の半生を調べる中で、その特異な生き様が
ありありと浮かびあがってきた。
そんなわけで、式には出席しなかったものの
彼の寄越した受賞スピーチは、早速読んだ。
その中で特に響いたのが以下のくだりである。

 
●Dreaming Big
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“When I started writing songs as a teenager, and even as I started to achieve some renown for my abilities, my aspirations for these songs only went so far. I thought they could be heard in coffee houses or bars, maybe later in places like Carnegie Hall, the London Palladium. If I was really dreaming big, maybe I could imagine getting to make a record and then hearing my songs on the radio. That was really the big prize in my mind. Making records and hearing your songs on the radio meant that you were reaching a big audience and that you might get to keep doing what you had set out to do.
Well, I’ve been doing what I set out to do for a long time, now. I’ve made dozens of records and played thousands of concerts all around the world. But it’s my songs that are at the vital center of almost everything I do. They seemed to have found a place in the lives of many people throughout many different cultures and I’m grateful for that.”
(日経新聞デジタル版から引用)
 
要約すると、
歌を作り出した10代の頃、そして能力が認められ始めてからも
カフェやバーで歌えるようになったらいいなと思っていたこと。
そして、
カーネギーホールなどで演奏できるようになったら…
自分のレコードを出すことができたら…
ラジオから自分の音楽が流れたら…
そんなことを夢見ていたということ。
そして、それは、好きなことで生きていくためにも必要なことだったということ。
それが実現できたのは、長らく歌を続けていたからということ。
そのあとのスピーチのくだりは、
ノーベル賞選考員について、と話が逸れていくのだが
私が着目したいのは
「続けること」と「夢を持つこと」との両輪。
 
●続けるということ
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彼がノーベル賞を受賞した時に最も流れたという
「風に吹かれて」の歌詞が
朝日新聞の全面広告に書き記してあったが、
それを一言一句読んだ時、
「このような言葉の連なりを綴れるだなんて、天才だな」と思ったし、
それを誰もが何度も聞きたくなるメロディーにそえて、
しかも、それが世代を超えて愛され続けたれているだなんて、
どれだけのことなんだろう、と。
それでも、やっぱり、思う、それは
継続の為せる技だと。
天才は初めから天才であることは稀で、
やっぱり継続するからこそのものだと思う。
 
●夢を持つこと
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また、もし仮に、彼がカフェで歌うことで満足していたら
それを機に歌うことから引退していたら
今のように、ノーベル賞をとることもなかったし
新聞広告に彼の歌詞が出ることもなかっただろう。
多くの人の胸を打つことも、
こうして、今、私がボブ・ディランのことを書くことも。
そういう意味で、続けることも大事だが
その次に見るステージ、要は、
夢を更新し続けることも同じぐらい必要。
 
●2つがあって1つ
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「続けること」と「夢を持つこと」
それがあって、始めて、何かを成し遂げることができる。
年末に向かうにつれ、今年の棚卸と来年の目標を
書き出していく方も多いと思うが
ただ大きな夢を見るだけでもなく、
ただのんべんだらりと目的なく続けるだけでもなく、
自転車の両輪のように、共に回していける
そんな2017年の準備ができたら、いいな。
色々な風に吹かれつつも。

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2016.12.13 Tuesday(*KAYO-BI)
Kayo Nomura
*KAYO-BI:毎週火曜日にブログを更新しています。

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