「今」という時間 Where Time Lays

毎朝楽しみにしている習慣は、日の出と共に散歩に行くこと。
小さなスケッチノートを携えて。

もちろん曇りの日も雨の日も、色々な空模様の日があるのだけども、同じ道を同じ時間に歩くことで見えてくることがある。

例えば。
こう書いてしまえば当たり前のことのように思うかもしれないけども、一日たりとて同じ空はないということ。同じ景色はないということ。同じ道を歩いていてもその日その日で表情が違う。眺めている自分の感じ方も日によって違う。

そうかと思えば、毎日同じように見ていた景色なのに、「こんなところにこんなに綺麗な花が咲いている!」とか「あれ?きのこが大量発生している!」とかいう発見もある。


はたまた、ある日の雲の群れは何かの模様に見えたり、川の流れが何かの踊りのように感じられたりもする。

自然の芸術ほど豊かで飽きないものはない。

そこで、さらに思うこと。
私たち人間も自然の一部であるということ。
大自然の枠組みの中にいる私たちも、一日たりとて、同じではない。

昨日からの延長線上の今日があり、見た目も何も変わっていなくても、目に見えないレベルでは常に変化し続けている。細胞レベルでは常に新陳代謝が行われているように。

大自然の法則のひとつが「絶えず変化し続けること」。

そこに思いを馳せると、今日という自分は今日限りで、今日出会う人も今日限り。


「今」が一番大事だよ。
というメッセージをこれまでもたくさん思ってきたし、色々なところで聞いてもきたけども、毎日同じリズムで自然の中に身を置くことで、より一層、その感触が深まっていく。

時間というのは過去から未来に流れているように思いがちだけども、本当は、常に今という時間があるだけなのだ。

 

2021.9.21
Kayo Nomura