角が取れて丸くなることの真髄 Where Rock Becomes Circle


岐阜県にある観音滝、不動滝に行ってきた。

昔から水になぜか惹かれる。
水の音、流動的な形なき動き。

お風呂もプールも好きなのは
水に肌が包まれれる感覚があるからで

もしかしたら、
描く際にインクや水彩を好んで使うのも
潜在的に水を求める自分がいるからなのかも…
とさえ思う。

さらに、滝をじっと眺めていると
大げさに聞こえるかもしれないが、
生きる上での教えを垣間見られる気がする。

● 辛い出来事はただ、辛いだけなのか?
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滝の隣には、岩がある。
そして、その岩は
上にいくほどごつごつしていて、
下にいくほどつるっとしている。
(水に触れる箇所ほどつるつるしている)

それはなぜかと言えば、当たり前だが、
滝の流れに幾度となく岩が接触し続けることで
岩が削れていくからだ。

ここで突然話が変わるが、
先日、仕事の関係でアメリカに
移住した友人から連絡がきた。
2人の子供がいる彼女は、
子供達が現地校に馴染めないことに対して
心配で仕方がない、と心情を綴っていた。

環境がガラリと変わり、言語が通じず、
習慣や常識が異なり、知り合いもいない中に
いきなり放り込まれたら、かなり戸惑うだろうし、
慣れることは容易ではない。
子供の気持ちは痛いほどよくわかる。

なぜかというと私自身、
親の転勤の関係でアメリカで小学校を過ごしたから。

最初の2年間ぐらいは英語が全く喋れず、もどかしい想いを沢山し、
学校が終わると家に泣きながら帰ったことも度々あった。
引っ込み思案な自分の性格を後天的に修正せざるおえない状況にもなった。

それでも、今ならハッキリとわかる。
その苦労した時期こそが、私にとっての財産だったと。

● すべての出来事に含んでいる要素
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話が滝の岩に戻るが、
滝に浸かっているつるつるの岩は
水の流れに翻弄され続け、角が徐々に削られていって出来たものだ。

以前刺々しかった人が物腰が柔らかくなることを
「丸くなった」というが、まさにその状態。

滝に削られる岩を通して、何が言いたいかというと、
大変な状況(岩で言うところの滝)こそが、その人を成長させるということ。
そして、その状態があってこそ、余分な角が取れて、
人として丸くなれる(つるつるな岩になる)ということ。

なにも、角の立っている人が悪い、と言いたいわけではない。
ただ、丸い人のほうが、良いか悪いかを別として、
より他人の痛みや立場を理解できる人間である確率は高い。

だから、一見どんなに厳しい状況の中にいたとしても
長い目で見たら、それこそが感謝したくなるような要素を含んでおり
そのおかげで、より良い人間になれるものだということを強調したい。

●まとめ
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岩も、穏やかな小川でいるのと
滝のような激しい水流の中でいるのとでは
つるつるになる度合いが変わってくるが
どちらがいいかなんて言えない。

確実に言えることは、
どんな経験も必ず糧になるということ。

辛い状況にどっぷり浸かっていたら、ただしんどいだけかもしれないが
10年、20年というスパンで物事を見たら、その辛い状況こそがギフトだということに気づくもの。

だからもし、仮にこれを読まれている方の中で、
「今のこの状況つらい」と思われている方がいらっしゃったら
滝を見に行ってみてください。

というのは冗談で(笑)

長いスパンで考えてみたら、
今の状況がどのような光を放っているのか、
よーく見てみてください。

すべての面に良い面と悪い面があるとしたら、
良い面を見る癖をつけることで、
同じ出来事の捉え方が変化してくると思います。

それがわかった時こそ、
ぽろりと角が取れる瞬間なのかもしれません。

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2018.8.28 Tuesday(*KAYO-BI)
*KAYO-BI:毎週火曜日に更新しています。