定点観測のような2つの問い What is your Roots?
ひとり旅に行っていた時代(それははるか前のような気が知るけどもほんの少し前のことだ)、よくお世話になっていたAirbnb。
旅をしながら、その街に住んでいるような気持ちになり(キッチンがあるし、作業ができるぐらいの大きなテーブルもあるし、家庭の匂いがする)かつ、ホテルよりも安い、といいことづくめで好きだった。
(冒頭の写真は2018年の秋にベルリンで滞在したAirbnb)
そんなAirbnbも、ご多分に漏れず、経営悪化のため人員削減を発表していた。
CEOのBrian Cheskyによる、人員25%削減の発表はこの“harrowing experience”の中でそれがいかに苦渋に満ちた決断で、でもそれが企業存続のために不可避だということを訴えかける、誠実な内容だった。(全文はこちら)
その中に
”This crisis has sharpened our focus to get back to our roots, back to the basics, back to what is truly special about Airbnb — everyday people who host their homes and offer experiences. ”
(この危機的状況によって、私たちは根っこの活動に戻ることに注力し、AirbnbをAirbnbしたしめる特別さに焦点を当てることにした)
という一文があった。
Airbnbの場合で言えば、自社の最も大切な役割である
“hosting communities”以外のものを中断するとあった。
これは何もAirbnbに限らず、どの企業も大なり小なりこれまでの経営を見直し、
畳めるところはたたみ、自分の根っこ、つまりは
最も大切なことにエネルギーを注ぐことにシフトしていっている。
そして、それは企業のみならず、
個人にも言えることだ。
「自分にとって最も大切なことは何か?」
そして
「何をやめるべきか?」
この二つの問いを、定点観測のように自身に投げかけながら
自分の活動をより鋭く、深くしていくためにできることを、
そしてやめることを、取捨選択していくこと。
危機はチャンス。
なんていうと、聞こえがいいけども
本当にそうなのだと、私は思う。
少なくとも、自分を振り返るいいきっかけにはなっている。
時に、大事なことを大事にし続けることは
簡単そうで、最も難しいことだからこそ、
この時期は、宝物のようにありがたい日々だ。
2020.05.19
Kayo Nomura