整理整頓と振り返るということ To Organize is to Reflect

早くも今年最後のKayo-bi Journalとなりました。

皆様はどのようにして過ごされていますか?
やっぱり年末年始の大掃除、されているのかな。

あまり積極的にあげていませんが、私はコーチをしての活動もしています。

コーチングは一般的に課題解決や目標設定に使われることが多いのですが、私の行うコーチングは、モチベーションを上げさせようとか、叱咤激励をするようなことは一切しません。その方のお話に心を開いて耳を澄ませることを主眼に置いています。そして、必要に応じてフィードバックをしたり、質問をしたり、自分の思うことを伝えたり。その人がより、その人らしく、生きるきっかけを、をテーマにやっています。

昨日、「今年の振り返りをしたいので、コーチングをお願いします」と、誕生日などの節目にいつも依頼してくださる方に、セッションを行いました。

その時間を通り越して、疑問に思ったこと。
年末に振り返ったり、大掃除をするのが苦手という方もいるなぁって。
それってなんでだろうって。

整理をするとは、振り返ること。

それは時に苦しかったり、ほろ苦かったり、甘酸っぱかったり。
忘れかけていた記憶、封印していたメモリーが扉を開ける瞬間、心が無防備になっていると、不意打ちのように、その時間にタイムスリップする。

だからこそ、その当時の苦しい想いをこれ以上感じたくない、と思ってそのままそっとして蓋をしてしまうこともある、と。

でもその一方で、感じたくない、と思えば思うほど、それが追いかけてくるのかもしれない。「ちゃんと感じ切って」と。
怖い!と思って逃げると追いかけてくる野良犬のように。

話変わって、今年はコロナ禍になってから、過去の作品を少しずつ整理していくことを始めた。2014年に作家としての活動開始してから、ほとんど整理することなくこれまで来てしまったため、作品数が膨大で、途方にくれつつも、ひとつひとつの作品を年代別/サイズ別にナンバリングし、所定の位置に収める、という作業をコツコツとしている。

過去の作品を見ていくということは、当時ガムシャラにやっていて、省みなかった気持ちに辿っていくものだ。

だからなのか、それとも単に量が多いからなのか、予想以上に時間がかかっている。
なんとなく二の足を踏む。それでも整理し始めたらし始めたで、逆に糧になる気力も湧く。

ひとつひとつの作品の裏には、努力の結晶が垣間見れるし、それらの作品を描いてきたからこそ、年に何回も個展をする、という貴重な経験をしてきた。そしてそれが全て力となって、今があるのだから。

振り返ることは、時に勇気のいること。
それでも、やっぱりとっても大切なこと。

 

これを読まれている皆様が素敵な年末年始をお迎えできますように。
今年もKayo-bi Jouranalを通して繋がってくださり、ありがとうございました。

2020.12.29
Kayo Nomura

 

追伸:来年1月15日から東京のondo galleryにて画集「DIALOGUE」の原画展を開催します。
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