第三の道 The Third Way

 

現在の世界を、VUCAワールドというらしい。

Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の4つの頭文字をとった、予測不能な世界をさす言葉だ。

新型コロナウィルスの影響を受けた(そして今も受け続けている)結果、
確かに、世界は予測不能だ、と言わざるおえない。

これまで果たして本当に予測可能だったのかというのはさておき、
未来が不透明である今、何が正しい判断で何がそうでないか
ということは、ある程度の時間を経過しないと見えてこないのは確かだ。

いきなり話は飛ぶが、小学校の大半をアメリカで過ごした私にとって、
日本の教育はまさに「正解」を探し求めるためのものだったと感じる。

私がアメリカで学んだことの最たるものは
「自分の意見を持つこと。そしてそれをちゃんと人に伝える努力をすること。」の大切さだった。

人種もバックグランドも違い、価値観が異なる人たちがひしめき合う国で
それは「できたほうがいいこと」というよりも、必須項目だった。

だから、日本に戻ってきた時に「空気を読む」ことや「右ならえ」の文化に驚いた。
そこでは、個としての意見よりも、全体の意識が尊重されていたのだ。そしてそれは、個人としての答えよりも、全体としての正解を探しにいくような感覚だった。

ここで冒頭のVUCAに戻る。

右肩上がりの成長や、終身雇用の終焉、大企業の倒産など、
かつて日本にとっての「正解」だったものが崩れ去った今、
上からの正解を請う姿勢から、個としてどうしたいのか、何をすべきか
と自立していくことが求められる世の中になりつつある。

正解があると安心ではあるが、そこに創造性は働きづらい。

何が言いたいかというと、今のこの世界はチャンスでもあるということ。
これまでの価値観が崩れ去り、正しいとされてきたことが覆り、世界の秩序が入り乱れている今、改めて、「自分は本当はどうしたいのか?」に意識を向けることがしやすいと思うのだ。

そしてその一歩先の
「自分が起こす行動によって、周りの人たちにどんな影響があるか?」
と想像してみること。

明るいニュースよりも暗いニュースが目につく。
地球温暖化や貧富の差や人種差別、、挙げ出したらキリがない。

だからこそ、自分の想いと、そこから広がる行動が身の回り、
そして世界にどんな影響を与えるのか考えてみる機会なのではないだろうか。

日本のように全体のことを考えつつも、
アメリカのように個人としての自我も大切にする。

どちらか、ではなく、第三の道を作り始める時期なのかもしれない。

2020.06.23
Kayo Nomura

(おまけ:冒頭の写真、あるいは一言日記。)

先日、黒ごまクリームをトッピングしたバニラアイスを食べた。
その結果が、冒頭の写真だ。

意図せずにスプーンを動かしただけだが、
お皿が白で、黒ごまが黒いからか、芸術作品に見えなくもない。