生きている限り Loss of a Friend


友人が亡くなった
との知らせが入った。

長らく闘病生活をしていた彼女。

奇跡的に回復したのも束の間
病気が再発し、とうとう
帰らぬ人となってしまった。

何度も奇跡のような回復をしていたから
「あまり芳しくない」と聞かされても
それをどこか現実のものとして捉えていなかった。

また元気な姿でひょっこり現れ
一緒に色々な話をする日が来る。

そう信じて止まなかった。

だからか、
亡くなったという知らせを聞いてからも
どこかで、それを信じたくない自分がいて

心に靄がかかったままだ。

2016年の春、彼女の闘病生活に想いを馳せて
展示した個展がある。

彼女のことを想いながら描いたその作品を
回復した彼女の元に送ったのがその年の暮れだったか。

「絵から力をもらっていました。」
と亡くなった知らせを頂いた妹さんから聞いた。

心にあいた穴は塞がりそうにないけれども、
この痛みとともに、生きている限り、
筆を持ち続けていたい。

どうか、彼女が、天国で、痛みのない世界で、
安らかに過ごされていますように。

でも、本音を言うと
本当はもっと生きて欲しかった。

切磋琢磨しながら、
これからの人生も歩んでいきたかった…。

2020.03.03
Kayo Nomura