作品のテーマ "Layers of this moment"

Kayoです。
火曜日（KAYO-BI)がやってきました。一週間あっという間に過ぎてきますね。
年明け早々の三連休が終わって、今日から2016年が本格的に始動し始めた方も多いのではないでしょうか？
そんな今日は、私が作品を作る際に大事にしているテーマについて綴っていきます。
いきなり結論を出してしまうと、、、
一言でいうと、「今を重ねる」が根源的なテーマです。
とはいえ、絵を描き始めた頃は、そうではありませんでした。
何も考えずに、ただ動物の瞳に惹かれて 動物ばかり描いていました。
たとえばこんな感じに↓
（2014年8月のもの）

それはそれで良かったのですが、
ただ漠然と好きな動物を描いていくのってどうなんだろう？
本当は絵を描く行為を通してどうしていきたいんだろう？
という拭えなきれない想いが徐々に増していき、
2015年の7月に初めてニューヨークに行ったのでした。
「なぜニューヨークだったのか？」と聞かれると、
「直感！」としか言いようがなく、
どうしてもニューヨークに行かないと！
という突き動かされる衝動に駆られたのでした。
そしてその直感は間違っていなかった。
たった一週間の滞在でしたが、そこで数多くのアーティストさんに会い、数多あるギャラリーを巡り、ニューヨークならではのエネルギッシュな土地を歩き回り、ニューヨーカー達と話をする中で、
問いに対する答えが明確になっていったのでした。

そして辿り着いたものが、冒頭でお伝えした
「今を重ねる」というフレーズ。
すべての出来事はやってきて、そして去っていく。
どの時間も瞬時に過ぎ去る。
かつて未来だったものが、現在となり、
そしてすぐさま過去のものになっていく。
どんなに苦しい時も
死ぬほど嬉しい時も
やがては忘却の彼方へと押しやられていく…。
心に留めておきたい想いも感情も
いづれの日か無になってしまう、
という動かしようのない事実の中で
その時、その瞬間に感じた最も大事な真実、、
それを紙面の中にとどめておきたいと感じたのです。
一瞬の想いを永遠の中に。
それが、「今を重ねる」Layers of this momentです。
 
ここに行き着くまでに、たくさん自分と対峙しました。
恐ろしく多くの言葉たちと、ノート上でやりとりしました。
そして、誤解を恐れずに言えば、いつの日かテーマが変わっていくかもしれません。
でも、変わらない想いもある、
それは この止めようのない時間の流れの中で、
今という時間を精一杯に生きること
変化し続ける今を受け止めていくこと
そして、
それを絵を通して伝えていくこと。
それを胸に今日も明日も描き続けていきたい、
静かに そう思うのです。
Kayo Nomura
2016.1.12.Tuesday