言葉と絵の狭間に立つこと In Between Word and Image

言葉について考えている。

言葉は、必要不可欠だ。
人と人が、コミュニケーションを図るために。
自分が思っていることを認識するために。
世界を捉えやすくするために。
だから言葉は、必要不可欠だ。

言葉は、便利だ。
「りんご」は「りんご」だと皆イメージできる、共通言語になる。
いちいち全てを説明しなくてよくなる、単語ひとつで済むようになる。
言葉は時間の短縮になるのだ。
だから言葉は、便利だ。

その一方で、
私の思っている「りんご」とあなたの思い描いている「りんご」のイメージは全く違うかもしれない。
でも、それがさも一緒であるかのように話が進んでいく、微妙に捻れて歪んでいくことも知らずに。

言葉を置くことによって、心の中にある繊細で微細な動きが止まってしまう。
感動よりも言葉で理解することによって、大事な何かを見失ってしまう。

言葉は必要不可欠で、
言葉は便利であるけども、
たまに言葉のない世界に潜り込み、
全身を耳し、目にし、鼻にすることで
言葉だけでは捉えきれないナニカを掴みたい。

それが、すなわち絵を描くということなのかもしれない。
言葉と絵の間に立ち止まって、世界を見る目を養いたい。

2021.07.13
Kayo Nomura