集中状態の作り方 How to Be in the Zone
私のライフワークとして位置づけているDialogue Drawing.
対話を通して、目の前の方の絵を、私がライブで描かせていただくARTセッションです。
去年の2月に開始して以来、名古屋、東京、関西で定期的に開催しています。
昨日は、祗園祭真っ只中の京都での開催でした。
「絵を描きながら、よく話すことができるね」
という感想を、参加者の方からいただくことが多いので
その際の状況について、本日は考察していきます。
別名、集中状態の作り方の話です。
● 違いはなんだろう?
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友達や家族と話をしている際、
うんうん、と相槌を打っているけども
頭の中では別のことを考えている時ってありません?
もしくは、本を読みながらも、文章が頭に入ってこない、とか
会議中に上の空になったり、とか。
いづれの場合も、目の前の出来事に集中できていない状態です。
その一方で、感覚が澄み渡っていて、
頭の中の雑念が消えて、ただ、目の前に集中している状態
という経験をしたこともあると思います。
その両者の違いってなんだろう
って思いません?
同じ人と話をしていても
集中出来る時とできない時がある。
同じ仕事をとしていても
集中できる時とできない時がある。
● 左脳×右脳=集中
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ここで冒頭のDialogue Drawingの話に戻りますが
Dialogue Drawingで行っていることは、
目の前の人の話を聞きながら、
即興で絵を描く、という行為です。
話を聞くという行為は、言語を伴うので左脳的。
絵を描くという行為は、イメージを伴うので右脳的。
両方を同時に使っている感覚があります。
その時に、集中状態に陥りやすいのではないか
と、自分の行動を分析しながら思います。
話を聞いているだけでは、イメージは一人歩きして
話の内容と違うところにいってしまいがち。
絵を描いているだけでも、思考はどこか違うところに
いってしまい、絵で描こうとしている内容と別物になることがある。
でも、右脳と左脳の作業を同時進行で行うことによって、
「集中するしかない」状態になりなすいのではないか、と感じています。
● 「問い」が生まれる瞬間
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では、何をするにしても、右脳と左脳を同時に使わないと
集中状態になりづらいのか?といえば、そうとも限らない。
例えば、文章を書くという左脳的な行為をする際。
「どういう人にメッセージを届けたいのだろうか?」
「一番伝えたいことはなんだろうか?」
という問いを持ち、具体的にイメージをすることで、
文章を書く行為に集中しやすくなります。
それは、イメージという右脳も使っているからです。
何か制作する場合、例えば私の場合だと絵を描く際、
集中している時というのは、最初に言葉がある時です。
先にキーワードがある状態で
「このフレーズ、気づき、言葉を絵にしたい。」
「それって一体、どんな色だろう?」
「どんな形だろう?」
と突き進みながら描いている時です。
要は、うまく両方を、つまり言葉とイメージを使いながら
目の前の作業なり話に向き合うこと。
そうすることで、集中しやすい状態になりやすいのではないか。
そう思います。
● すべての源泉
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自然と頭の中に問いが生まれていくのですが、
それはなぜかというと、それは目の前のことに
興味関心を持っているからです。
Dialogue Drawingを開催する際、当たり前ですが、
私は、いつも目の前におられる方に興味を持ちます。
事前にいただく、その方が今、一番大事にしているキーワードを
思い浮かべながら
「どんな会話が繰り広げられるのだろうか?」
「どうしてこの方は、その言葉を、今大事にしているのだろう?」
「どんな場が出来上がり、どんな作品が出来上がるのだろう?」
という問いが自然に出て来ます。
その問いとともに、
最初の10分はただ、相手の話を聞くことに集中します。
そうする中で、必然的に、色やイメージが浮かび上がっていく。
そこからようやく筆を取り、色をのせる行為につながっていきます。
● まとめ
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結局、集中状態を作り出すのに
一番重要なことは「興味関心を持つこと」。
この時、必然的に、右脳(イメージ)と左脳(言語)
をともに使っている状態になります。
その際、自分という存在を感じながらも、
客観的な状態になります。
それがいわゆるゾーンとかフローとか
言われる状態です。
何かに集中したいけども、できない時、
まずは、どんな些細なことでもいいので
それに興味を持つ、問いを持つ
ことから始めてみてはいかがでしょうか?
● 一言編集後記
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いつもダイアローグドローイングをさせていただく際、
思うことは、人の数だけ、生き方がある。多様で複雑。
その一方で、普遍的な、人類共通にある想いや感覚。
その両方を噛み締めながら、また、
私自身も精進していこうと思いました。
毎回、その人の人生の一部を共有させていただく
ことに、感謝の念を感じます。ありがとう。
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2018.7.17 Tuesday(*KAYO-BI)
*KAYO-BI:毎週火曜日に更新しています。