日々の微細な変化を意識する Everyday is Different, Always
連日、まるで梅雨に舞い戻ったかのような不思議な日々。
でも、耳を澄ませると、秋の虫の声が聴こえてくる。
季節の感覚が、わからなくなってくる。
今は一体何月なのだろう、と。
雨の音に耳を澄ますと、そこには全ての季節が含まれているように感じられる。
蒸し暑い梅雨の時期、冬の朝の冷たい雨、秋を感じさせる涼しさ、桜を散らすしとしとした雨。
同じように、夏の空気には、秋の走りがすでに感じられる。
立秋も過ぎればギラギラした太陽も、少し翳りを見せる。
自然とともに過ごす時間が長くなるほど、より繊細に、それぞれの季節を感じ入る。
毎日動いているというのが真。
昨日は夏だったのかもしれないけど、今日は梅雨、明日は秋、と季節は本当は、毎日少しずつ変わっている。
何年前だったか、夏にフランスに行った。
昼間は暑いのだが、朝晩は思いのほか冷え込んでびっくりした。
街中を歩く人たちの服装を見てみると、タンクトップの人もいれば、革ジャンを来ている人もいて、「今は一体何月なのだろうか?」と疑問に思ったものだ。
日本はわかりやすく四季があるとはいえ、ここ最近の気候変動も含めて、日本も同じような状況になってきたのかな、と思いながら。
「8月=夏」という固定観念を捨ててみると、日々はどう変わって見えるだろうか?
セミの鳴き声の強弱や、太陽の光の具合、日の出と日の入り…。
どんな一日も、同じではない。
そんな当たり前のことにもう少し目を向けて、日々を確かに過ごしていきたい。
2021.8.17
Kayo Nomura