アーティストトークを終えて Art and Talk

2019.06.04

5月30日から始まった神戸展「日々のたね」。
週末オープニングレセプション及びアーティストトークを開催しました。

対談役を務めてくださったのは
ギャラリーオーナーの濱さん。

初めてこのような機会を得て、何気に一ヶ月前から緊張していたのですが、
濱さんとのやり取りや、参加者の方からの質問に答えたら
あっという間の1時間でした。

○大学卒業後から絵描きになるまでの経緯、
○具体的な動物を描いていた時から抽象画に至った理由、
○なぜ対話を大切にしているのかについて、
○「日々のたね」という個展に至るまでの過程、、

等々、内容は多岐に渡りましたが、
改めて自分の活動を、皆さんの前でお話することを通して、
自分自身のこれまでの歩みを振り返る良い機会にもなりました。

今、絵を描いて活動をしていることが当たり前のように思っているけども、
最初の一歩を踏み出した時の怖さと喜び、
他人からの評価を過剰に恐れていた頃、
自分の表現を見つけたくてNYに旅に出た事、、。

すべての出来事が必然で必要だった
という当たり前のことに気づいた時間でもありました。

初めましての方も多くいらっしゃったのですが、
その中のお一人、Tsutsui Genさんがアーティストトーク、
レセプションでの出会い、展示作品を見て、の感想を
書いてくれました。

そちらを以下、掲載します。

野村佳代さんの個展『日々のたね』に行ってきました。
アーティストトークにも参加することができてよかったです。

抽象とは何か、ときどき考えます。

人は視覚から入った情報が『何か』を
自然と考えずにはいられないのだと思います。

花なのか、動物なのかといった具合に、
自分の知識の辞典から近しい物を探し出そうとする。

しかし、抽象はその形が『何』であるか、
断定までは辿りつかない。
花かもしれない、動物みたい、とまでは思えても。

『日々のたね』では、野村佳代さんが日々の中で感じ、
心に浮かぶ想いが絵筆を通して紙の上に表れてくるのを、
どこか傍観している感覚がありました。

それは、目の前にある物理的な絵だけでなく、
描かれる過程と描かれた後に
それぞれの物語があることを知ったからだ、と思うのです。

彼女のワークショップに参加された方の話を聞いて想像しました。

具体的な物を描くというより、心のままに色を置くこと、
それが『絵』として紙の上に表れる。

ならばこの体験が、自分が鑑賞者になった時、
翻って『何』が描かれているのか、といったモノを探る見方から、
心や精神、印象といった形ない『コト』に想いを巡らせるという
新しい絵の見方となって表れてくるのではないかと。

それは野村さん自身が絵を、色を自由にしてもいいんだと
いう気付きの追体験でもあるかもしれません。

その意味で、彼女の作品は目の前にある
紙とインクの滲みといった『モノ』の範疇を超えて、
彼女の想いとそれを鑑賞する人の見方までも
含んでいるのではないかと考えます。

僕は彼女の個展『日々のたね』に行きました。

しかし、『そこ』に絵は無かった。

絵は彼女の物語の中にあったのです。
・・・

Genさんの書いてくれた感想にすべてが詰まっているように思います。

今回の展示では、
「日々のたね」=インスピレーションの源は何か、
に重きを置いた作品です。

絵を描く行為は、
言葉とは異なる手段を手にいれる方法でもある

私はそう考えています。

むしろ言語化できない部分があるからこそ
絵(やダンスや音楽)が生まれると思うんです。

こちらの考察、次週の火曜日に続きます。

*個展は6/10(月)まで。

SANSEIDO GALLERY
神戸市神戸市中央区三宮町3-1-16 三星ビル3F
5/30(木)- 6/10(月)
12:00-18:00 *水曜休み

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*追伸
Genさんは何者か?
空文堂という京都の本屋さんを
今週の土曜日からオープンされます。
(HPではなぜかベーカリーになっていますが、パンの販売はないそうです)

―空文堂主人
本はいつでも閉じられている。
ならば、手に取られ開かれるまでは
意味のない文章、空文なのではないか。
そんな想いでこの屋号としました。

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2019.6.4 火曜日

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