原画とプリント板の違い。もしくはエネルギーの相違について。Power of Original Painting
すでにnewsでご案内している通り、
2017年のカレンダーの発売を開始した。
カレンダーを作ってほしいという要望は以前からあったものの、
なかなか踏み出せなかった。それには理由がある。
ここで、先月のニューヨーク個展を開催した時に出会った
とあるアーティストとの会話を持ち出したい。
●絵を売ることだけで生活をする、ということ
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そのアーティストはコンテンポラリーアーティストとしてすでに名を馳せており
5つ星ホテルで彼女の作品が飾られており、著名なギャラリーでの展示経験もある。
その他にも、様々な企業とコラボをし、彼女の作品を彷彿させる服や、
グッズも手堅く展開している。
絵を描いても、原画だけを売って生活できるアーティストは一握り。
上記の彼女は、それでも、SNSに作品を載せれば
「買いたい」という人が世界中にいる状況。
それでも、やっぱり、お金の心配をしてしまう自分はいつもいる、という。
会社員のように、安定的な収入を毎月得られるわけではないし、
いつどの段階で、人が自分の絵に興味をもたなくなるか、
なんてわからないから、と。
だから、現実的な手段として、絵以外の道も模索している、とのこと。
それが冒頭で挙げた企業とのコラボの数々。
「絵を買うのはちょっと…」という方も例えば服や文具だったら
実用的である上に、原画よりも安価で手にいれることができる。
●良い、悪いではなくて。
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ここで、冒頭のカレンダーの話に戻る。
絵を描いている身としては、原画に多く触れてほしいと思う。
そして、願わくば、ピンときた作品を手元に置いてほしい、とも。
だからこそ、カレンダーを作ることに対する躊躇があった。
原画に醸し出すことができないエネルギーを感じてほしいから。
でも、同時にいろんな方に気軽にアートを楽しんでほしいな、とも思う。
そして、それが毎日目にするカレンダーだったら、それが可能になる。
それに、カレンダーは、はっきり言って、お得だ。笑
12ヶ月分の作品(今回私が販売しているものは
今年の12月スタートで来年の1月まで使用できるもの、
なおかつ表紙付き、よって計15枚の作品)が一気に手に入るからだ。
もちろん、原画とは大きさも違うし、
印刷の特性上、色合いや質感も多少なりとは変わってくる。
それでも、今回カレンダーを作ろう、
と踏み切った理由は、誤解を恐れずにいえば、
原画とプリントのエネルギーの違いを感じてもらいたかったから。
●「エネルギー」って何なのよ?
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プリントでも十分に美しい。
でも、やっぱり原画と比べると醸し出すエネルギーが違うのだ。
エネルギーって何?
言葉で正確に表現するのは難しいが
例えて言うなら、歌手のライブコンサートとCDのようなもの。
もしくは、演劇と映画。生の花と造花。
どっちがいいとか悪いではない。
ライブに行けば臨場感と会場の一体感がある。
でも一度きりのものだ。
かたやCDを買えば何度でも好きな時に聴くことができる。
生の花は、香りもよく、みずみずしいが、すぐに枯れてしまう。
造花は、いつまでたっても美しいが、よく見ると人工的だ。
同じように原画には、描いた時のエネルギーがそのまま残っている。
プリント板ではそうはいかない。
でもそのぶん、お手頃感が違う。
毎日コンサートにいくことはできなくても、
毎日その人の歌を聴くことはできるのと同じように
原画には原画の良さがあり、
プリントにはプリントの良さがある、
ということだ。
もし、どうしようもなくピンっときた作品があれば
恐れずにそれを買えばいい。
でも、そこまでの心の動きがなければ、
今はプリントで楽しめばいいと思う。
そしてプリントを見た時に
「原画もみたい」と思ってくれたとしたら
個展に足を運んでほしい。
そう考えた時に、カレンダーって本当に、
手軽に絵を楽しめる優れた媒体だと思うのだ。
毎月作品も変わっていくし、ね。
各月ごとのイメージと作品が合うように組み合わせました。
早くも残りわずかとなってきていますので、迷われた方は今注文してね!
と営業トークで締めくくってみる笑
※限定100部、完売いたしました。(11/9)
ご注文いただきました皆様ありがとうございます◎
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2016.11.8 Tuesday(*KAYO-BI)
Kayo Nomura
*KAYO-BI:毎週火曜日にブログを更新しています。
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