『碧こもごも展』 Various Kinds of Blue


京都で開催していた二人展『碧こもごも』
本日、無事終了いたしました。

お越しくださった皆様、気にかけてくださった方、
本当にありがとうございました。

終わったばかりのほやほやですが、
・各地で被害のあった豪雨に伴う中での展示
・アクセサリー作家さんとのコラボを通して
の2点に絞って、本日のKayo-bi Jounalで記していきます。

● 豪雨の中での展示
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展示中、初日からの記録的な豪雨に伴い、
関西だけではなく、多くの地域が被害に遭われました。

会期前半の3日間は、降り止まない雨、鳴り止まない携帯の緊急速報に
内心ざわつく気持ちを胸に抱きつつ、在廊していました。

幸いにも天気に関係なく、連日多くの方に来ていただきました。
ギャラリーに隣接しているカフェも通常通りの営業でした。

ですが、ニュースを見ていると、
思わず目を背けたくなるような光景が
画面に広がっていました。

自然というのは、人間には到底太刀打ちできない巨大なエネルギーを
解き放つ存在だという事実は、先日の大阪地震でも実感したばかりのこと。

最終的には抗うことなく、受け入れるしかない、受け入れざる得ない偉大さと
過酷さを骨の髄まで感じながら、このような状況の中で展示をしたことの
意味、意義を考えさせられました。

● 「自然」という多面性
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人間を含む、自然界のモチーフを元に、私は描いています。

人間の持つ二面性・多面性について、日頃から考えており、
それを表現しているのですが、自然にも当然多くの面があります。

穏やかで美しい。
ただ、寄り添う存在。

そういう表面的な捉え方の底には
人に牙を向くような、激しさや圧倒されるような強いエネルギーが蠢いています。

そして、それは突然襲い掛かってきます。

でも、実のところ、自然というのは、春夏秋冬があるように、
ただただ、自然の原理の中で動いているだけ。

破壊と創造を繰り返している。
ただそれだけのこと。

そして、自然をつぶさに観察していくことで、
私たち人間という存在もより良く理解することができる。

なぜならば、人間というのは、大自然の一部にしか過ぎないのだから。

そういう意味で、一人の人間のできることなど、たかが知れています。
それでも、どれだけ自分の存在が小さいと思っても、
前を見ていくこと、自分のやるべきことを、ただただやっていくこと。

それが、私の命の使い方なのだと、
改めて、襟を正された気持ちでした。

● 異なる表現と重なる色合い
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今回の展示は、陶器アクセサリー作家のkatheさんとの2人展でした。
初めての試みの中で、興味深い発見がいくつもありました。

そこから感じたことも記憶にとどめておきたいと思います。

katheさんとは去年お互いの個展を通して出会いました。
話をしている中で、様々な共通点があることを知り、
今回の展示へと発展。

お互いの惹かれる好きな色“あお”をテーマに、様々な碧を表現しました。

色の縛りのある中で、どこまで表現できるのか、
紙と陶器という異なる表現の中で、どのようにコラボができるのか、

の2点が楽しくもあり、苦労した点でもありました。

● “こもごも”なプロセス
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お互いの作品を単に展示するだけではつまらない。

お互いの良さが相乗効果となって出るような合作は
どのようにしたら実現できるのか、

そして、お互い、今回の展示で
新しいことにチャレンジしよう、という気持ちもあり、

4月から始まった打ち合わせでは
まさにこもごもとした話し合いを
通して進めてきました。

● 合作の難しさ
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そのプロセスの中で出てきた合作(コラボ)は、
-ノート
-文庫本カバー
-ポーチ
-dmにも使用した絵と陶器のコラージュ
の4点。

もっとも難しかったのが、
文庫本カバーとポーチに描く、というもの。

普段水彩やインクで描いている私にとって
布で描くということは、いつものように描くことが
できない、という縛りがありました。

布用のメディウムを使いながら描いたものは、
普段の自分の絵とは異なる表現でした。


その一方で、ノートは、描いたものを印刷して貼る、
という方法をとったので、綺麗に表現できました。

そして、一番のヒットが、
絵と陶器のコラージュ。

綺麗に絵と陶器が溶け込み、一体化。
一番、私たち二人の良さが綺麗に重なり合った表現でした。

● チャレンジすることの意義
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また、2人展を通して、
お互いのこれまでの未知の領域に
チャレンジしよう、と決めました。

katheさんは、これまでやりたいと思っていたけども
やったことがなかった陶版の製作をしました。
普段はアクセサリーを作っている彼女にとって
大きめの空間に「描く」という行為をすることは
難しくもあり楽しくもあった、と言っていました。

一方で、私はkatheさんに手解きを受けながら
アクセサリーの製作に挑戦。

結果的に、焼き上がりと焼く前では色や雰囲気が異なる陶器
という未知の分野に足を踏み入れることは、純粋に楽しい行為でした。

同じ材料を使っても、katheさんと私の作品とでは、
色使いや雰囲気が違う、という点も興味深かったです。

● まとめ
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終わったばかりの展示に関して、
冷静で客観的な洞察をするのは難しいところがありますが

お互いの良さがうまく共鳴した展示だった、と
来場してくださった方々から感想いただきました。

アクセサリーと絵をコラボする、
という点も斬新だね、とも。

うまくいくかどうかわからないなりに
楽しみながら準備をして、進んできて、
無事この会期を終えれることができて、
今は心底ホッとしています。

様々な想いが混ざり合っていますが、
一番思うことは、月並みな表現だけども
「出会い」のありがたさ。

katheさんとの出会い、
今展を通じての出会い、
未知の領域との出会い。

出会いが人を強くする。
出会いで人は成長する。

そう思えてなりません。

今回の展示が今後の活動にどのような
影響を与えてくれるのか、私自身楽しみながら
進んでいきます。


とにかく、今はうごめくような巨大な絵を描きたい
衝動と共にいます。

ここまで歩みを共にしたkatheさんに感謝。
多くの来場者に言っていただけた
「ユニット組んで、絵と陶器のコラージュの作品をもっと作ってほしい」
ということで、もしかしたら、、?

まずは、多大なる感謝の意を込めて。

野村佳代

追記:
先週お伝えした、作家支援プラットフォームmecelo
のインタビュー後記がアップされました。
こちらから、どうぞ。
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2018.7.10 Tuesday(*KAYO-BI)
*KAYO-BI:毎週火曜日に更新しています。