本当の問い The Bottom Line
立春も過ぎて、また、新しい気持ちでスタートした2017年。
そのスタート日の2月4日から始まった、
「繋ぐTsu.Na.Gu.」展。
あっという間にもうすぐ折り返し地点です。
始まってからの数日間の中で多くの方とお会いし、
お話をする中で、共通して頂く質問について、
今日は記していきます。
頂く質問は大きく分けて2つ。
●描き方について(もしくは表層)
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頂く質問の中でダントツに多いのが
「どのように描いているのか」というご質問。
描く時は、紙面と対話をしながら、手を動かす。
最初に完成系の図が明確にあるわけではなく、
描きながら、「こうだな、ああだな」と進んでいく。
筆が止まったら、しばらく眺めて放置することも。
ただし、方向性は決まっている。
この方向性については、後述する。
・
続いて頂く質問が
「描くのにどのぐらいの時間がかかっているか」
という問い。
それは正確には私もわからない笑。
なぜならば、時間をきっちり計って
「この作品は5時間14分かかりました」
なんて把握していないから。
そして、何よりも、
同時並行で作品を描いていて、
作品Aの絵の具を乾かしている間に、作品Bに取り掛かる、
ということもある。
また、日によって制作時間が異なるため、
「3日で完成しました」といっても、
どのぐらいの時間その作品に取り掛かっているのか
というは不明なのだ。
というわけで、
答えになってない回答でごめんなさい。
●描く内容について(もしくは深層)
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「これを描こう、と思って描いていますか?」
という質問も良く頂く。
結論からいうと、ない。
私の描く作品は、具体的な「もの」ではない。
(動物を描いている時を除いて)
今回展示している、上の写真の作品も
魚のように見えたり、街のように見えたり、見方によって、
もしくは、見る時の心境によって変化していく。
だが、根底に流れている作品は、共通している。
それは「光と影」。
すべての出来事には、
自分にとって良い部分と嫌な部分が潜んでいる。
あるいは、
目に見えるものと、目に見えないものが共存している。
苦しいことや悲しいこともあれば、
喜びや至福も存在する。
この両極性の中に私たちは生きている。
そして、それ自体を変えることはできない。
喜びだけを抜き取ることは不可能だ。
苦しみがあって、初めて、喜びの意味を知れるから。
逆もまた、然り。
このように考えた時に、
私たちはある意味完璧な世界の中に住んでいる。
それを歪んだ見方で見ているから
私たちは、必要以上に苦しむのかもしれない。
その両極性を、紙面に落としていくこと。
それが土台であり、方向性なのだ。
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頂いた質問に答えていく中で、
根本的に問われているのは
「結局、絵を通して何を伝えていきたいのか?」
という問いなのだと感じる。
私にとってのそれは、
光と影の両極を受け入れた時にこそ初めて、
人生をより主体的に生きることができる、という思い。
その片鱗を、少しでも感じに、
個展にお越しいただけると幸いです。
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Date:2017.2/4(Sat) – 2/12(Sun)
Time:10:00-18:00 (First Day from 13:30-, Last Day till 16:00)
Place:iki STYLE
http://www.ikiespresso.com/
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2017.2.7 Tuesday(*KAYO-BI)
Kayo Nomura
*KAYO-BI:毎週火曜日にブログを更新しています。
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