PROFILE

名古屋生まれ。幼少期をカリフォルニアで過ごし、帰国後も多くの土地で暮らした経験を持つ。アーティストとして活動するまでにマスコミ、外資系企業、シンガポール勤務、とキャリアを重ね、人間の持つ多様性と普遍性を実感する。多種多様な人間模様が放つ、光と影の二面性を知った時、「目に見えるものと目に見えないもの」「大胆さと繊細さ」「強さと弱さ」両極の要素を合わせ持った表現に魅了され、絵画の世界に落とし込むように。

喜び・幸せの光の面だけでなく、悲しみ・苦しみの影の面も同様に受け入れることができた時に「より自分らしく生きることができる」という思いに至る。その思いを絵と言葉を通して多くの人と共有する道を歩み始める。

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KAYO’S STORY

原点 -Roots-

「得意」を捨て、「好き」を選んだところから始まった。
帰国子女の私にとって、得意分野は英語。英語という武器を握りしめて、大学時代はイギリスにインターンシップ留学をし、語学を活かせる外資系企業に就職し、シンガポールにあるマーケティング会社に転職をした。

本当に好きだったのは、絵を描くこと。しかし美術の授業では、いかに上手く描けるか、で判断されているように感じ、「描くのは好きだけども写実的に描けないとダメだ。」と勝手に自分でレッテルを貼り、絵と距離を置いていた。

様々な事情から仕事を辞めシンガポールから帰国した際に、思い切って得意な英語を手放して、絵を描くことを選んだ。自分の中にある「好き」という衝動に、素直になってみようと思ったのだ。

アーティストを目指すきっかけ -Starting Point-

最初は、趣味で描いていた。湧き上がってくる気持ちに素直に描いていた。そんな中、ある人から「個展をやってみたら?絶対にいいことしかないからやってみなよ。」と勧められ、右も左もわからないまま、「いいことしかないならやってみよう。」と素直にやってみることにした。それが、絵を描き始めてから半年ほど経った、2014年の秋のことだった。

31歳のスタート -Just Be You-

初めての個展は「JUST BE YOU -自分に戻る-」というテーマで開催。ありのままの自分でいい、素のままの自分を認めよう、という想いを込めた展示。作品を買ってくれる人がいるなんて思っていなかったが、最終的に21点中、16点が人手に渡った。初めて絵が売れた日が、私にとってのアーティストデビューの日。絵描きとしては決して早くはない、31歳からのスタートだった。

3年間で15回 -In Three Years-

立て続けに個展をすることで、絵はどんどん変化した。動物画からスタートした作品は、徐々に植物画へと移行。その後、抽象的な表現へと発展し、変化し続けている。個展をするごとに、新しいテーマを掲げ、一度手にしたスタイルを壊し、無からの構築を試みてきた。2014年から2017年までの3年間で関西、名古屋、東京等の国内だけではなく、バリ島やニューヨークなど海外でも展示、グループ展を含めると15回発表の場を持った。

テーマは何か? -Theme-

絵を描くことの原動力は、人。幼少期から様々な地域で過ごしたことがきっかけで、人間という存在そのものに興味関心が向いた。人種や育った環境が違うことから生まれる多様性、その一方で、根本的に備わっている人としての普遍性。その多種多様な人間模様が放つ、光と影の二面性を知った時、「大胆さと繊細さ」「強さと弱さ」両極の要素を合わせ持った表現に魅せられるようになった。

アートと対話 -Art and Dialogue-

描くことを通して、絵の持つ力を思い知った。絵は無意識に働きかけると言われていているが、実際に個展会場で絵を見て作品の前で涙を流す人もいた。「突き進むエネルギーをもらった」と言う人もいた。来場者の反応を通して、絵は自己対話を促すツールでもあることを実感した。

それを踏まえて「もう一歩踏み込んだことをしよう」と決意した2017年、Dialogue Drawing(対話から生まれる描画)を開始した。目の前にいる人が今、最も大切にしている言葉と想いを、対話をしながらライブで描いていくという取り組みだ。それにより、よりダイレクトにその人の無意識に働きかける作品を描くことが可能になった。対話の中から生まれるものが、目の前で色や形を変えながら完成していく、世界にひとつだけの芸術作品。ライフワーク的な位置づけとして、様々な地域で開催している。

もうひとつの、アートと対話 -Another Form of Art and Dialogue-

私は人と世界をよりよく理解するために絵を描いている。そしてまた、周りの人が本来の自分を生きるためのきっかけ作りを提供すべく描くようになった。そこにコミットして始めた取り組みがSoul Art Coaching(アート×コーチング)。目標達成や課題解決の手段として使われるコーチングは、本来は、対話によって気づきをもたらす、ごくシンプルなもの。

その人がありのままを見る目を取り戻し、その人らしく生きるきっかけとなるような対話の時間を取ること。そして、セッションから出てきたイメージを絵画作品に仕上げ、手元に届けること。クライアントの方は、その絵を日々眺めることで発想が刺激されたり、気づきを得る効果が期待できる。それがSoul Art Coachingの取り組みだ。

絵と言葉 -Art through Dialogue-

ただ純粋に「好き」から始まった制作活動の根底にあるのは、「人への興味」。絵と言葉を通して、自分や他者を理解し、世界への認識を深め、広げていくこと。その理解を通して、目の前の人が、より、本来の自分を生きるためのきっかけ作りを提供すること。

私たち一人ひとりが、違った役割を持ってこの世に生まれてきて、世界と関わっている。私は絵と言葉の力で、よりよく人間という存在を理解し、まわりの人が、本来の自分を生きるきっかけを作っていきたい。