描くことは、待つこと Waiting Patiently for the "Moment"


「筆を持つ」展、第一週が終わりました。

初めましての方もそうでない方も、
たくさんの方とお話をさせていただく中で
色々な感覚や感情が渦巻いているのだが

今、素直に思っていること

それは、「今回の展示をやってよかった」ということ。

こんな感想を持つのは時期早々かもしれないのだが、
そうとしか言えない。

● 絵を描くことは?
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純粋に絵を描くこと

それを人に目に晒すこと

私の中には、この2つには大きな隔たりがあった。

人に見せることで、
どうしてもつきまとうエゴ
「よく見せたい」という思い。

「うまいと思わせたい」という欲求。

本来、絵を描くことはどういうことなのか。

それをこの一ヶ月間、グルグルと考えながら
絵を描く行為に没頭した日々。

その中で見つけた1つの答えは
とてもシンプルなものだった。

それは、
絵を描くことは、待つこと。

● 静かに対話をすること
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表現したいことを伝える術としての絵。

それをどのように表現しよう?

何色がベスト?

どんな形がいいの?

自分⇆表現したいもの⇆白紙

この3つの中をグルグルと対話しながら
待つ時間。

慌てて筆を入れないこと。

この「ため」の時間がとてつもなく
貴重なのだということを学んだ個展への準備期間だった。

「今回の展示はこれまでの展示と何かが違うね」
と感想をくれた方がいて

それはなんでだろう、というのを言語化したら
上記の内容になったのだ。

絵を描くことは
絵を描かない時間こそが大事なのだ、と。

● 描けばいいってもんじゃない
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折しも、村上春樹のインタビュー集

『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』を読んでいたら、

彼が以前書いた「アフターダーク」という小説を書くに当たってこう述べている

「小説家の作業にとっていちばん大事なのは、待つことじゃないかと思うんです。
何を書くべきかというよりも、むしろ何を書かないでいるべきか。
書く時期が問題じゃなくて、書かない時期が問題なんじゃないかと。
小説を書いていない時に、自分がどれだけのものを小説的に、
自分の体内に詰め込んでいけるかということが、
結果的にすごく大きな意味を持ってきますよね。
(中略)
小説を書かない時間を意図的にけっこう長くとっているんです。」

小説家じゃなくても、
待つことって本当に貴重で大事。
描けばいいってもんじゃない。
それを今回の展示の準備に向けて
初めて腑に落ちた。
….
明日から2週目スタートします。
(個展は10月16日までです)
引き続き、ご来場をお待ちしています。

● 一言 編集後記
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一番おすすめの時間帯は夕暮れ時だ。
ギャラリー2には大きな窓があり、そこから見える緑が素晴らしい。
窓に反射される作品たちと緑がコラボしている光景は
ただ ただ 美しい。
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2017.10.3 Tuesday(*KAYO-BI)
Kayo Nomura
*KAYO-BI:毎週火曜日に更新しています。

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