良いカタチって何だろう? Shape of Love


突然だが、現在屋久島に来ている。
目的は、今秋の個展に向けてのアイディア集め・テーマ探し。
個展の場所は、一昨年の2人展と去年の個展を
開催させていただいたguliguli galleryだ。
大阪の池田にあるこのギャラリーは、造園会社が経営しており、
ギャラリーの庭からは、屋久島をイメージした庭が一望できる。
毎朝職人さんによって手入れされている苔や木々を眺めていると、
本当に屋久島にいるような錯覚を起こしてしまう、そんな唯一無二の空間は、
私にとって、作家人生を支えてくれている存在と言っても過言ではない。

● 3が連なって。
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なんで、そう言うかと言うと、
私がまだ描き始めて一年も経っていない中、「展示やってみましょう!」と
ギャラリーのプロデューサーが言ってくれたことに由来する。
2人展としての展示が目に見える成果のない結果だったのにも関わらず、
「今度は個展をやってみませんか?」とオファーくださった。
そして、昨年の春、その個展期間中に
「どんどん、絵が進化していく野村さんの今後を見届けたい。来年もやりませんか?」と、
新たに加わったスタッフの方も含めて、いつもあたたかく背中を押してくれているのだ。
個展をやる時に大切なのは、自分が気に入っている場であることはもちろん、
ギャラリースタッフの皆さんとの相性もある。
その両面において、私にとって100展満点なこの場で、
継続的に個展をさせてもらうことは身の引き締まる思いでもある。
大好きな場で定期的に個展をすることで、
自身に負荷をかけ、誠実に絵と向き合おうと思えるためだ。
そんな思い入れのある場所での3度目の展示であり、
作家活動を始めて丸3年を迎える今年の秋の展示だからこそ、
屋久島にわざわざ行くのは自然な成り行きだった。
● ひとつの問いだけをもって
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屋久島での生活は一週間、と限られている。
1日だけ山登りすること以外は特に予定を立てず行き当たりばったりな日々。
頼りは、ただひとつの問い。
それは「良い形ってなんだろう?」という問いだ。
最近の私の作品は、抽象的な作品が多い。
その中にも様々な形が散りばめられているのだが、
遠目で見ると、花や草木の形をしていることが多い。
意図してそうなったというよりも、
自然の流れの結果なのだが、
だからこそ、
今一度「良い形」について考察を深めていきたいと思ったのだ。
言わずもがなだが、
屋久島には多くの自然を目の当たりにできる。
道端に咲いている草や木、花や山から見る、自然の恩寵である形。
そしてその対極にある、人間が造った人工的な形。
どちらもそれぞれの良さと魅力があるけれども、
私たちの目が捉える良い形というのは何だろう?
何をもって「かわいい」とか「かっこいい」とか「手に持ちたい」とか
「いつまでも眺めていたい」という形になるのだろうか。
簡単に答えの出ない問いだからこそ、
残りの滞在中も手を動かし、しっかりと目を見開いて、
制作とアイディア出しに精を出していきたい。
● 一言 編集後記
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願わくは、大きなキャンバスと紙をもって、夏に再度訪れたい。

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2017.5.16 Tuesday(*KAYO-BI)
Kayo Nomura
*KAYO-BI:毎週火曜日に更新しています。

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